東南アジアの大手不動産物件ガイドであるPropertyGuruは、四半期毎にシンガポールの住宅市場指数を発表しています。この記事では、2020年2月17日に発表された2020年Q1のレポートの要点をまとめました。

タイにおける不動産鑑定業最大手のAgency for Real Estate Affairs の会長であるSopon Pornchokchai 氏によると、2018年にタイ国内で売れ残った住宅は、454,814戸あり、これは410億ドル(約4.4兆円)規模に相当すると指摘しています。

プノンペンにおけるコンドミニアムに対する需要は低くなっていますが、多くの住宅開発が進行しているために供給過多の状況となっています。

不動産大手のCBREのカンボジア支社では、首都プノンペンに立地するコンドミニアムの数は、昨年比で120%増となると見込んでいます。先週末、CBREカンボジアのディレクターであるAnn Sothidaとプノンペンにおけるコンドミニアム住宅の市況と今後、この市場を成功させるためのヒントについて話し合いました。

2008年初頭から、プノンペンでのコンドミニアム開発事業は大幅に急増しました。これは、De Castleという住宅開発プロジェクトに多くの韓国人が投資を開始し時期と重なります。しかし、2008年半ばに起きた世界的な金融危機によって、プノンペンの住宅市場は崩壊しました。その後、2009〜2010年まではカンボジアのコンドミニアム部門への新規投資はまったく無く、住宅の建設自体も非常に静かなものだったと思います。

2011年末には、2つか3つの新しい住宅開発プロジェクトが発表され、カンボジアのコンドミニアム市場が再び動き始めました。また、金融危機が起こった後に建設が中断されていた案件では、建設が再開されるようになりました。

コンドミニアム市場が回復し始めたのはいつでしょうか?投資家がこの市場に戻ってきた理由は何だったのでしょうか?

コンドミニアム市場が回復し始めたのは、2013年頃だと思います。プノンペンの中心部に建設されたThe Bridgeという高級コンドミニアムが発表された時期ですね。The Bridgeには、736戸の区分所有タイプの住宅が建設されましたが、想定よりも大きな成功を収めたようです。

The Bridgeの成功により、多くの新規投資家が徐々に首都のコンドミニアムに投資するようになりました。当時ですと、特にボンケンコンとトレンバサックで多くの住宅開発プロジェクトが発表されました。

2015年以降は、中国や地元の投資家がこの分野を牽引する存在となり、現在ではプノンペンに数百戸のマンションを所有する投資家もいるようです。

あなたの報告によると、今年はコンドミニアムが供給過剰になるそうですが、その原因は何でしょうか?

2019年には、コンドミニアムの供給数が増える主たる原因は2つあります。まず、スター・シティ、タイムセンター、スカイツリー、スター・ポラリス23などの大型プロジェクが今年中に竣工することで、多くの住宅が市場に供給されることになります。

2019年に竣工が予定されているプロジェクト数は、43個に達し、合計で16,939戸のコンドミニアムが市場に供給される見込みです。20個のプロジェクトが竣工し、5,000個以上のコンドミニアムが新たに販売されていた2018年時と比較すると、2019年に供給される住宅のは過多であると言わざるを得ません。

2019年末時点の予想によると、高価格帯のコンドミニアムは全体のうち23%、中価格帯は43%、比較的手頃な価格帯は34%のシェアを締めています。

次の5年間でコンドミニアム市場はどのように変化すると思いますか?

手頃な価格帯のコンドミニアムの供給が限られていること、またカンボジア人の生活様式が変化してることもあり。低所得者向けのコンドミニアムのマーケットをさらに発展させていくべきだと思います。恐らく、低価格帯の物件は、中・高価格帯のものよりも販売しやすいでしょう。より快適で安全性が高く、交通渋滞に巻き込まれることなく通勤・通学できる都市部にあるコンドミニアムの購入に対する興味は強く保たれると考えています。

このセクターを成功させるにはどうしたら良いと思いますか?

コンドミニアムのデベロッパーたちは、現地に住み、働くより多くのカンボジア人をターゲットにした住宅を建設するべきでしょう。地元住民がコンドミニアムの購入を検討する際に重要な要素となるのは、駐車場、ロケーション、価格帯です。敷地内に十分な駐車スペースを確保できているコンドミニアムは、成功する傾向にあるとみています。

最近では、駐車スペースの不足が問題となっています。私は、少なくともそのコンドミニアムの住民の70〜80%に対して駐車スペースが割り当てられるべきだと考えています。そういった意味では、駐車場に投資するのも良いのかもしれませんね。

今年4月の大統領選で、敗北した候補がその結果に異議を唱えたことで大統領選挙の結果が決着していなかったことから、多くの不動産業界の関係者によると、投資家らはインドネシアの総選挙委員会(KPU)の最終結果を待って不動産投資を中断していたとしています。

ニューヨーク・タイムズは6月末に、「敗北したプラボウォ・スビアント氏は、広範な不正の被害者だ」とした旨の異議を棄却し、ジョコ・ウィドド大統領の勝利が決定したと報道しています。

成り行きを見守る

インドネシアの民放テレビ局SCTVの報道番組であるLiputan6は、インドネシア銀行が「投資家と起業家が大統領選の結果を小切手を片手に首を長くして待っている」ことを示唆したと報道しています。これは、同銀行による2019年第2四半期にインドネシア経済の減速を示すデータも根拠としています。

こういったネガティブな先行きが報告されているにも関わらず、インドネシア銀行のバリ地域マネージャーであるChristina Erawatiによると、インドネシア国内の企業活動が好転する可能性を示す兆候は依然として残っているとLiputan6は報じています。

インドネシア有力視であるKompasは、ジョコ・ウィドド氏とマアルフ・アミン氏が、公正な選挙に基づいてそれぞれ大統領と副大統領に就任するという公式声明は、インドネシア全土の企業活動と投資の環境を変えると報道しています。これは、不動産投資家とデベロッパーに大きく歓迎される報せとなりました。

不動産市場の反応

インドネシアの不動産エージェントであるSeven Stonesに勤めるTerje H Nilsen氏は、大統領選の結果は素晴らしいニュースだと考えています。同氏は、バリにある不動産投資先や計画されている住宅開発プロジェクトに関する国内投資家からの問い合わせは既に増えていると述べています。

インドネシア不動産協会の会長であるSoelaeman Soemawinata氏は、「今後、新しい政府が人材育成への注力と民間部門を支援し、民間がより多くの役割を果たせるような企業寄りの政策を打ち出すことで、不動産セクターがより成長することを希望している」とKompassに対してコメントしています。

外国人の所有権と投資

不動産業界が支持している複数のポイントのうちの1つが、外国人に対する不動産の所有権に関するものです。インドネシアの大手デベロッパーであるMetland社でファイナンス部門の責任者と事務部長を務めるOlivia Surojo氏は、新しい政府が外国人の不動産の所有権について本格的に議論することを望んでいるとした上で、「不動産セクターには、多くの制約があり、外国人の不動産所有権もそのうちの1つです。なぜなら、こういった制約を受けているポイントに関する情報が不透明だからです」と解説しています。

Nilsen氏は、ジョコ・ウィドド氏の新政権は引き続き規制緩和を行い、海外投資家には、特に不動産部門へ投資しやすい環境を整えると考えています。さらに、「外国人に対して建築利用権(HGB)を与えるという噂がありますが、これは間もなく正式に通知されることを願っています。これは、海外投資家と国内投資家が彼らの投資プランに対して明確なロードマップを形成するためにとても重要なことなのです」と述べています。

インドネシアの不動産セクターを牽引しているのは、国内の住宅市場です。コリアーズ・インターナショナル・インドネシアの上級ディレクターであるFerry Salanto氏は、政府は融資比率(LTV)の緩和を含む複数のプログラムに取り組んでおり、これには外国人に対する不動産の所有権の付与も含まれているとしています。これは、Gapura Baliが昨年に報じていましたが、Ferry Salanto氏は、新政府が金利を下げ、不動産セクターをさらに発展させることを期待しています。